


紀元前~1921年
糖尿病性昏睡への挑戦。インスリンの発見により解決。
1921年~1993年
糖尿病性網膜症、腎症への挑戦。
治療目標をHbA1cとすることで予防が可能になった。
1993年~
心臓・血管障害の予防への挑戦。
境界型糖尿病へ介入することでリスクを軽減できることを証明。
そもそも「糖尿病」とはどんな病気でしょうか?
「尿に糖がおりている」、そんな生易しいものではありません。
「慢性的な高血糖状態により様々な合併症をきたしうる疾患」というのが適切と思います。
では「様々な合併症」とはどんなものでしょう?
古くは、冒頭に示したように「糖尿病性昏睡」でした。
現代でも治療が不適切であれば起こりえますが、血糖値が正常の5倍から10倍に跳ね上がり、体が酸化されてしまうことで臓器不全をおこし死に至ります。
インスリンが発見されるまでは治療が困難でした。
インスリンの発見により、「昏睡」が治療可能となった後、次の課題は糖尿病に続発する「網膜症」による失明や「腎症」により透析が必要になることを防ぐことでした。治療目標を「空腹時血糖」のみならず「HbA1c」という項目を低く保つことにしてからは、それらが予防可能であることが証明されました。
しかし、「HbA1c」が正常でも「心筋こうそく」や「脳こうそく」になってしまう人が多くいることがわかってきました。
その中のかなりの確率の人が、いわゆる「境界型糖尿病」と言われる人たちであることがわかって来たのです。
つまり、「境界型糖尿病」は「糖尿病予備軍」ではなく、すでに治療の対象となる疾患単位であることが認識されるべきなのです。
一般的に、糖尿病の症状は「喉が渇く」「尿がたくさん出る」「体重減少」などと思われていますが、これらはよほど進行しない限りには現れません。
要介護老人の、寝たきり原因のトップは依然として脳血管障害であり、約半数を占めています。検診などで「血糖値は正常」と言われたとしても、「境界型糖尿病」はかなりの確率で見逃されているはずです。
透析、脳血管障害、心臓血管障害などを引き起こす前に、まずは生活習慣を見直しましょう。
ちょっとした気配りで驚くほどの効果があがります。
糖尿病=即、薬治療ではありません。まずは生活習慣改善をお願い致します!
| 指標 | 優 | 良 | 不十分 | 不良 | 不可 |
| HbA1c (%) | 5.8未満 | 5.8~6.5未満 | 6.5~7.0未満 | 7.0~8.0未満 | 8.0以上 |
| 空腹時血糖 | 80~110未満 | 110~130未満 | 130~160未満 | 130~160未満 | 160以上 |
| 食後2時間血糖値 | 80~140未満 | 140~180未満 | 180~220未満 | 180~220未満 | 220以上 |