


頭痛を訴えて来院された方の診断名は、以下のようなもので大部分をしめます。
1. 片頭痛(前兆なし・あり)(前兆は、目がチカチカしたり視野がぼやけたりするものが多い。)
寝込んでしまう、吐いてしまう、動くと悪化する、拍動する痛み、音や光に敏感になるなどの特徴。
2. 筋緊張性頭痛
締め付け、重い感じ、両側対称的、フワフワしためまい、寝込むほどの痛みではない、吐き気はまれ。
3. 頭頚部神経痛
神経の走行に沿ったビリビリした痛み。ヘルペス(帯状疱疹)の場合は水泡が出現する。
4. 急性副鼻腔炎
風邪症状の後が多く、うつむくと悪化、目の奥や額など一定の場所が痛む。鼻詰まりなども。
5. 持続性片側頭痛
片側の顔面、頭部が持続的にやむことがなく痛む。片頭痛の特徴は少ない。
6. 群発頭痛
二日に1回~一日に数回の割合で、激痛、涙、鼻水など。1回の発作は2-3時間以内が多い。
7. 慢性連日性頭痛(慢性片頭痛、薬物乱用頭痛、慢性緊張性頭痛)
一か月のうち、10-15日以上頭痛が存在し、日常生活にも支障をきたしている状態。
8. 一次性労作性頭痛(咳、性交、排便、筋肉トレーニングなど)
普段はほぼ無症状だが、特定の動作により頭痛が誘発される状態。
9. 身体表現性障害(疼痛性障害)、心因性頭痛:
中には脳腫瘍が見つかったり、大きな動脈瘤が見つかったりすることもありますが、極めて稀です。
また、片頭痛と診断された方の、頭痛の原因・誘発因子としては以下のようなものがあります。
*緊張した後のリラックスした状況、土・日あるいは仕事が休みの日など
*アルコールを摂取した翌日
*月経の2日前から初日・2日目くらいまで
*寝すぎた時・寝足りない時
*雨の前日、または当日
*人ごみの中を歩いている最中またはその後
*冷房、もしくは暖房
*パソコンを長時間操作した後
*タバコを吸った後、匂いをかいだ後
*入浴またはシャワーを浴びた後
各種頭痛の原因として共通していることは、
*遺伝的・素因的な要素(かなり大きいと考えられています。)
*肉体的・精神的な疲労やストレス
*目の疲れ(パソコン操作などによるものが最多)
*睡眠の不足または摂り過ぎ
*アルコールなど(特に赤ワインなどで片頭痛が誘発されることがあります。)
*女性の場合は月経時期周辺
*人ごみなどを歩いた時やその後
*緊張・集中する行事の最中もしくは前後(片頭痛は後が多いようです。)
*タバコや香水の匂い、まぶしい光など(片頭痛が誘発されることがあります。)
頭痛外来にこられる方は、いわゆる「片頭痛」と診断されることが多いようです。
片頭痛は日常生活にもかなり支障をきたし、通常は仕事が手につかなくなり、寝込んでしまうことがほとんどです。
頭部の血管が不適切に拡張・拍動するために周囲の神経を刺激して激痛が起こります。
それくらい痛いと、「病院に行こう!」と思われるのでしょう。
「頭部神経痛」であれば、さほど日常生活には影響はないことが多く、「副鼻腔炎などによる頭痛」であれば抗生物質の内服で大部分は軽快します。
世の中には「緊張性頭痛」の方が多いと思いますが、通常は日常生活に影響はなく、寝込むほどではないので市販薬で済まされることが多く、病院には来られないのでしょう。
典型的な片頭痛であれば、頻度は年に数回から月に数回までです。
時に「毎日」という方が来られますが、片頭痛の他に何らかの因子が混在しています。
いわゆる「薬剤依存性」「うつ性」「筋緊張性」の混在型です。
安定剤・睡眠剤・抗うつ剤・鎮痛剤などのいわゆる「薬漬け状態」になってしまってからこられる方が非常に多いようです。
そのような方は、もはや鎮痛剤や片頭痛の特効薬(イミグラン、マクサルト、ゾーミッグ、レルパックス)などによる治療は無効なばかりか、益々頭痛の回数が増してしまうこともあります。
西洋薬単独でも効果的に頭痛を減らせることも少なくありませんが、意外に思われるかもしれませんが漢方薬との併用でかなりの効果をあげています。
頭痛の治療に使用する西洋薬は、いわゆる「片頭痛の薬」ではなく、「血圧を少し下げる薬」であったり、「てんかん発作を予防する薬」であったり、「抗うつ剤」であったりするため、副作用が懸念されます。
漢方薬にももちろん副作用はありますが、重篤なものは少なく、また西洋薬よりも効果の発現が早いこともあります。(ここが皆さんが誤解されているところだと思います)
当院では患者さんの症状、頭痛の誘発因子を良く見極めたうえで、西洋薬・漢方薬・両者併用の中から治療法を選択していきます。
多種類の薬漬けになってヘロヘロになってしまう前に、またなってしまっている方も諦めずに一度受診されてみては如何でしょう。
皆様が一日でも早く、苦しみから解放されることをお祈りします。